顔を上手く描くにはどうしたらしいでしょうか?
例えばスラスラと正確な形を取ったり,,,
実は顔を研究するほど、無限の哲学がそこに込められています。
分かったようでさらに発見があったり、奥が深いモチーフです。
今日はそんな顔のデッサンのポイントや形をとるポイントを紹介していきます。
円とプロポーション

こちらは顔のプロポーションのポイントをまとめたものです。
一つ一つ説明していきましょう。
円を描く
ここで円を描く理由は頭蓋骨が球形だからです。この世でもっとも壊れにくい形は球です。
なので頭蓋骨も球形なのかもしれません。
先ずは「顎の角張った骨の部分」と、「頭のてっぺん」を基準にして円を描きます。
この円に目鼻口がついていると思ってください。
各番号の線
①円の水平線/この水平線上に眉毛と耳の上部が重なります。
②円の垂直線/この垂直線上に顎の根元と耳の側線がきます
➂円の対角線/この対角線上に前髪の毛の生えぎわと襟足(えりあし)が来ます。
④頭のてっぺんと顎の最も下の垂直線の中間(つまり顔の半分の位置 a/a)/ここに目がきます
⑤眉間とあごの先を結ぶ線/この線は斜めになり、顎の方が引っ込む
円の最下部(顎の根元)から顎の先に斜めの線が引ける
これはオーソドックスな(都合のいい)顔のプロポーションです
各個人により顔のプロポーションは変わってきます。
このプロポーションをベースにして少しバランスを変えたらいいですね。
現実の顔と比較/顔は数学的にデザインされている

こちらは現実の女性の顔に先程の円や線を引いたものです。
右の頭蓋骨を見ると隋骸骨が円形に近いのが分かります。
そして先のプロポーションがこちらの現実の女性の顔のプロポーションとほぼ同じであることがわかります。
あるデザイナーが機能性のいい商品をデザインするとき、そこには目的にあったバランスを持った設計図をデザインするようになります。顔もデザインされた製品のようです。そしてそこには数学的な比率が存在し、そのような要素が「美」として感じられるのでしょう。
斜めを向いた顔との比較/鉛筆デッサン


では、少し斜めを向いている顔の場合、先のプロポーションがどう適応されるのでしょうか?
を研究した図です。左の女性のデッサンは私が鉛筆で描いたものです。
一番のポイント
円が楕円に変わるということです(遠近感が生じる)
2つの図は両方、正面を向いているので上下方向に遠近感は生じません。
ですが奥行きにおいては遠近感が生じます。
④(前髪の生え際から襟足(えりあし))
⑤(眉間と顎、顎の先から顎の置く)の線においても少し遠近感が生じます。
研究とデッサン
科学者が研究をして地球上の鉱物がどのような元素で出来ているのか分かるように。
デッサンをしたり油絵を描いたりすることで顔にこめられた「美と数理」が分かってきます。
特に顔の目・鼻・口の比率と顔全体の比率というのは絶妙なバランスを持っています。
これは工業製品や果物といった単純な比率をもったモチーフに比べると
はるかに高度な比率をふくんでいることがデッサンをして初めてわかるのです。
顔というは全ての(目鼻口、頭部、顎など)パーツ同士が合目的な比率で存在しているのです。
見えなかったものが見える、それがデッサンをする一つの醍醐味でもあるでしょう。
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