いかがお過ごしですか。コーヒー中毒になりながら、この記事を書いています。
今日のテーマは「水彩の色を綺麗に使える秘訣」、そして「カラーチャート(色見本表)」
についてをお伝えしていこうと思います。
色彩ってかなり抽象的なので、、、
画家は「感覚で」色をつくっててるのかなぁ思うかもしれません。
ですがプロの画家も映画のデザイナーもイラストレーターもかなり計画的に色を選んで描いているのです。
もちろん芸術ですから感覚が中心的にあるわけですが、
「色を計画して作る」=「数学でいう方程式を研究する」ようなもので
色彩感覚の土台をつくるひょうなものなのです。
補色のグレー/絵の具のグレーとRGBのグレー
色は光の波長の長さによって変わります。
例えば波長の長い色は赤(650-780nm)、短い色は紫(380-400nm)です。
これは数(数理)と色(芸術)がむずびついている例です。

色は「12色環」といってこちらの円に当てはめることが出来ます。
相反する位置にある色(補色といいます)を混ぜると理論上はグレーになります。
そして少し遠い色同志をまぜても色が濁ります。

ですが絵の具(水彩絵の具/油絵具)では補色同志を混ぜても完璧なグレーにならない場合がほとんどです。
これは絵の具は顔料の粒の集まりでできているためフォトショップのRGBカラーチャートとは違うためです。
理論と現実は異なります。
ですが、、、、!
ポイントはここにあります。
補色を混ぜてグレーになってしまうと困るのです。
何故かというとそれなら最初から市販のグレー絵の具を使えばいいからです。
絵の具で補色を混ぜてグレーをつくる理由は、そのグレーが少し色味を帯びるようになるからです。
これがいいのです。同じグレーであってもその成分が異なっているのです。
グレーの中にもオレンジ系のグレー、青系のグレー、紫系のグレーなど色々あります。
さてこの長所を利用して水彩の色のパターンを研究していきます。
色彩チャート(色見本表)を作ろう

こちらは私が個人的につくった色彩チャートです。
絵の具はホルベインの24色セットを使っています。
このページは黄緑系の色(リーフグリーンなど)と、紫・青の色(パーマネントバイオレッドなど、ウルトラマリン、インディゴ)を混ぜてどんな色が出来るのかを研究したものです。

こちらは赤・オレンジ系の色(バーミリオン、カドミウムレッド、クリムゾンレーキ)と、青系の色(ウルトラマリン・プルシアンブルー、コンポーズブルーなど)を混ぜてどんな色ができるのかを研究したものです。

こちらは赤系の色(バーミリオン、カドミウムレッド)と、緑系の色(インディゴ、パーマネントグリーン、つまり補色)を混ぜてどんな色ができるかを検証したものです。
使える、、混合の例/濁った青紫色

では実際に利用度の高い混色の例を挙げていきたいと思います。
上の表は赤系(カドミウムレッド、バーミリオン)+青系(ウルトラマリン、コンポーズブルー)の混色表です。これらは完全な補色にはなりませんが、12色環で離れた色同志なので少し濁り、「濁った青紫色」ができます。この「濁った青紫色」が影の色として結構使えます。
影の色は結構、、青紫になる場合が多いからです。

例えば
・カドミウムレッド+ウルトラマリン=濁った青紫
これを梨の影の色に使えます。落ち着いて、かつ色味のある青色の影に最適です。
下の表は右に行くほどカドミウムレッドを沢山混ぜています。

・カドミウムレッド+インディゴ(暗い青緑)=濁った赤
これを梨の影の色に使えます。落ち着いて、かつ色味のある赤色の影に最適です。
右にいくほどカドミウムレッドを沢山混ぜています。

実際こちらの梨を描いた動画もあります
こちらから↓
このように絵の具の黒やグレーを使うと色味がゼロになってしまうのですが
「補色」や「遠い色」を混ぜ合わせて濁った色を作ると、グレーの中にも色味のあるグレーができて、特に影の色に有効に活用できます。ですが混色というものは忘れやすいです。色見本表はいざという時に、何と何の色を混ぜ合わせたのか??そこに立ち返ることができるとても有益な表になります。是非作ってみてください。
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