水彩で陰影をつけるコツ・筆のエッジと三墨技法/水彩技法

水彩 明暗

デッサン・水彩・油絵をリアルに描きたい場合、陰影のつけ方がポイントになってきますよね。
陰影がうまくつけられれば立体感もでますし、リアリティーもでます。
今回は水彩絵の具で明暗を付けるコグラデーションの作り方、三墨技法などを紹介していきます。

目次

グラデーションの作り方/円柱の明暗のパターン

水彩 明暗
円柱の明暗パターン

上の写真は円柱の明暗のパターンを光の当たる方向によって3つに分けて水彩で描いたものです(2003年)。
絵の具はバーントシェンナ(茶色)/アイボリーブラック(黒)を使っています。
どれも簡単なグラデーションですが立体感がでています。


明暗のパターンを3つに分けています
・測光(真ん中の円柱)=真横から光が差し込んでくる/ハイライトの面積(紙の白)は大きい
・斜めの光(左の円柱)=斜め後ろから光が差し込んでくる/ハイライトの面先は小さい
・逆光(右の円柱)=後ろから光が際こんでくる/ハイライトの面積は極小さい

水彩 明暗
グラデーションを水彩で作る

ではどのようにグラデーションを水彩絵の具で作るのでしょうか?
準に説明していきます。絵の具の乗せ方により、綺麗なグラデーションができたり、出来なかったりします。


①紙に水を含ませる
まず紙に水を敷きます。これは筆で簡単に水を紙にしみこませます。
そうると次に色を乗っけた時にその色が滲みます。
②丸筆で薄い色を乗せる:
丸筆で色を水でうすーーーくといて明るい色を影の方全体にのっけます。
下の水と相まって明るいグラデーションができます。
➂丸筆で濃い色を乗せる:
次に下のうすーーーい色が乾く前にその真ん中に濃い色を乗っけます。
下の薄い色と上手く混ざってグラデーションが出来上がります。
④平筆で面を強調する:
これはオプションですが、平筆でさらに色を乗っけるとその部分はエッジが鋭くなり面が強調されます。面の境界線を強調したいときに使えます。それ以外は平筆よりも丸筆の方がグラデーションを作るときは使いやすいです。

水彩の平筆の質感

水彩 明暗
平筆で描いた暗い部分

私は多くの場合グラデーションが作りやすい丸筆で描くのですが、平筆でしかできないタッチがあります。
それは物の面を強調したい時
です。
平筆自体「面」のような形なので、面を強調したい部分を平筆で描くと境界線の部分がシャープに出て
面が強調されます。上の円柱の影の部分は、平筆で重ね塗りをして面を強調してみました。

水彩 明暗
平筆のエッジ

また上の写真のように、、、
平筆で描くとエッジが強調されます。
下のイメージは平筆の穂先の部分は絵の具が溜まり、黒くなるということです。

輪郭(エッジ)の強さと空間

水彩 明暗
輪郭線の強弱に注目

これは黒の濃淡だけで描いた草です、、、
エッジ(輪郭線)をシャープにするところ、エッジ(輪郭線)をボカスところと、、強弱をつけて草のもつ空間描く練習をしたものです。

水彩 明暗
手前に出てくる葉っぱの部分は輪郭線がシャープ

手前に出てきて、目に一番近くなる葉っぱの輪郭線はシャープに捉えています。
そしてテーブルに近く床にくっつきそうな葉っぱは目から遠く、そこに落ちる影と同化しそうなので、
輪郭線を少しボカシ気味に描いて
います。
輪郭線の強弱により、絵に深みがでますので挑戦してみてください。

「三墨」で「線」と「球」のグラデーション描く

水彩 明暗
三墨の線

三墨(さんぼく)というのは水彩画の技法で、一本の筆に異なった濃さの水墨を付けて、一本の線を引くとグラデーションに見えるようにする技法です。ここでは水墨ではなくて水彩の黒を使っています。

三墨の作り方

①まず筆全体に水で溶いた薄い黒を含ませまる
②次に筆の真ん中から穂先にかけて中間色の黒を含ませる
➂筆の一番・穂先に原色の濃い黒を含ませる


これで筆の穂先に行くほど濃度の濃い黒が含まれていることになるので、
線を引くだけでグラデーションのある線ができるわけです。

水彩 明暗
三墨を利用して描いた球
水彩 明暗 球
三墨を利用して描いた球

この三墨を利用してグルっと丸を描けば、、
それだけで球に見えます。筆の穂先の方には黒が溜まりエッジが強く、筆のお腹の方は淡い黒でエッジが弱いです。

球のグラデーションを色を重ねて作る

水彩 明暗
色を重ねて描いた球

これは三墨ではなく、丸筆でその都度、色を重ねて描いた球です。

①球の一番外側は暗い(濃い)黒を塗り
②球の真ん中は中間色の黒を塗り
➂球のど真ん中(ハイライト)の周りを超淡い黒で塗る


これでもグラデーションは描けますが、
色が全部分けられて塗られているので境界線が若干シャープになり堅い感じがしますね。

水彩は研究すればするほど経験値が積まれていきます。
絵で挑戦してみてください。


水彩 明暗

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記事の書き手

Hisa Gemmaのアバター Hisa Gemma Landscape painter

絵画は人生を豊かにするをモットーに
20年以上絵を描き続けている画家です
アジア・ヨーロッパ・中南米・北米を旅しながら絵画を制作しています
個展・団体展・アートフェアで作品を発表しています
オンラインでの絵画講師3年、美術系学校での講師10年も経つつ
実用的なデッサン・水彩・油絵スキルと絵画制作とアート業界を通じて得た経験談やインスピレーションを共有しています。
絵を描き、人生のスパイスになれば嬉しいです

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