今日は水彩で「花」を描いていきたいと思います。
水彩で花を描く過程を2枚の絵から考察していきます。多くのこのような水彩の記事はブログのクリック数を稼ぐために掲載されている感じがするのですが、それだけだと絵を描くこと自体が安っぽくなり、手段の為の作品になってしまうので、絵のクオリティーが下がるのでで私が特に嫌うスタイルです。なので、「絵を研究して世界と接触する」ということを第一目的で記事を描いていきたいと思います。
1-逆光の中での花・透過光を魅力的
⓵逆光の光での花を練習します。
まずは下地を塗ります。こちらは紫系のグレーです。補色を混ぜてこの色にする方法と、黒に紫を混ぜてこの色にする方法の2つの色の作り方があります。この絵ではカドミウムレッド+ウルトラマリンでグレーを作りました(ベース)。この色で中間色の黒・かなり暗い部部の黒を塗り、逆光のベースを作ります。なぜなら、、、、逆光=暗い部分が暗いからです。逆光は絵画の一つのテーマですよね。レンブラントやカラヴァッジョのような作品にも逆行が取り入れられているのをみるとあの時代から既に逆光は人気だったということですね。
②メインの花と花瓶を描写します。
背景の窓と冊子にできる陰(グレー)は先程描いたあれぐらいでいいです。
花瓶に刺さっている花を色彩を使いながら描写していきます。主にクリムゾンレーキ/バイオレット/カドミウムレッド/オレンジを使います。暗い部分にはクリムゾンレーキ+黒/カドミウムレッド+黒で暗くします。先程の背景にはあまり彩度の高い色を使わずに、メインのモチーフの彩度を高くしていきます。花の花びらの透過光が見える部分はさらに彩度を高くしました。して後ろの葉っぱを黄緑/緑で描きました。花瓶の水も花びらの透過光で赤や赤紫になるような影響を受けています。花瓶の影もそうなので同じような色を入れます。透過光を見せるにはにじみ効果をつかい、マチエルが柔らかく見える必要があります。ここでガリガリ描くと柔らかい光の感じが出ません。
影の中での微妙な光の変化を追います。
⓷完成/さらに花びらのディテールを描きます
花弁は手前にあるのでさらに描きましたが、少し描きすぎてしまった感もあります(笑)。
描きすぎるのは問題です。
背景にはプルシアンブルーを足しました、窓の向こう側にみえるいくつか直物や微妙な中間色も少し足し、絵を飾ります。やはり、、、基本はグラデーションを捉える描写力+色彩感覚ですね、、、。
2-逆光の花・背景が暗い
⓵下描きをします
薔薇の花の外側から内側に巻き込まれる感じの形を捉えていきます(絵画教室の先生が書くような言葉ですね、、)形が少しトゲトゲしてるので部分的に輪郭がシャープになるのでその印象を捉えていきます。
②背景を塗ります
これは補色でグレーを作ります(黒に色を混ぜるのでなく)カドミウムレッド+プルシアンブルー
。なかなか混色でのグレー生成は濃い色が出ません。なので絵の具をたくさん使い濃い色を出していきます。
⓷花の影の側を描いて行きます
カドミウムレッド、パーマネントオレンジをつかい明るい色の下地を作りながら、赤い部分、オレンジの部分を描写していきます。下地は濁らせないで、発色の良い色で描写していきます
④花の影の側を更に暗く描写します
先程のベースの花の色に重ね塗りをしつつ、色の彩度を落としていきます。カドミウムレッド+インディゴ=濁った紫・赤を作り、中間色の色を重ね塗りしていきます。丁度落ち着いた影の色が出来てきました。
⑤花の明るい部分の描写をします/葉っぱも書き始めます/影のトーンをさらに暗くします
光の当たる葉っぱの明るい面の中の描写をしていきます。
そして影の面を更に暗く描写していきます
カドミウムレッド+プルシアンブルー=濁った青紫。またはカドミウムレッド+ウルトラマリン=濁った紫を使い影の方にグレージングしていきます。下に見える葉っぱも描きます。葉っぱの彩度が高いと花よりも主張が激しくなるので、イエローオーカー+ウルトラマリンで濁った黄緑を使います。
影の緑はパーマネントオレンジ+インディゴでもそれっぽい緑(影)が出ます
⑥下の緑の葉っぱを完成させます
葉っぱのハイライトは紙の白を残します。
ビリジャン+カドミウムレッド=なんとも言えない影の緑で影の緑を塗り、ほどよい葉っぱの影の色を出しました。
花を美しく描くには
やはり花を綺麗に描くには葉っぱの透過光、つまり光があたり抜けていくトーンや色の変わり方を綺麗に捉える必要がありました。影の側は程よく描写(あまり描写しすぎない)し、いくつかの葉っぱの輪郭はくっきり見えるように描写する必要があります。
正直私は男性だからか花をあまり描きたいとは思わないのですが。描いてみると綺麗だなと思います。
「透過光」がこの世界に存在する訳について考えさせられます
●よければコメントください