MENU


写真

絵画の旅・メルマガ登録フォーム

メールアドレス  *

日本の美術学校はなぜ絵の描き方を教えてくれないのか?

絵画教室

みなさんこんにちは
現在オンラインで絵画を教えているのですが
よく聞く意見は、「絵画教室や美術予備校で絵をほとんど教えてくれなかった」
「地域のアートセンターは専門的ではなかった」
というご意見です


これには実は私も同意見です。
批判的な記事でブログの視聴者数を稼ごう!という目的ではないのですが
このテーマを客観的に分析する記事も面白いかもしれません

目次

予備校での体験談

美術予備校や絵画教室に通ったことのある方、、または美術大学でさえ

一日中描いていても、先生がちょこっとだけ来て2回しかいくら、しかも凄く抽象的にしかアドバイスしてくれなかった!

なんて経験はないでしょうか?(もちろん熱心に教えてくれる先生もいらっしゃいます)

私はなんのことか
骨髄からでた豚骨スープのようにわかります
わたしも3度の飯よりも、
松屋のねぎ玉牛丼よりも
予備校にひきこもって絵をかいていた時期があったからです

芸術の味

ここからは実際の個人的な体験談ですが
こんなことがありました

昔、美大入試の為に東京のある美術予備校の冬期講習に通ったのですが
そこは窓を全て板?
ようなものでふさいでいて
一切の光が入ってこなくなるように
してありました
モチーフの光がかわると混乱してしまうので
生徒さんを思ってのことだと思います

蛍光灯の薄暗い黄色い光と、
油絵の具の染みでまみれた床
現代版ゴッホの「ジャガイモを食べる人々」の部屋を思い起こさせてくれました
何か独房に詰め込まれたかのような暗い気持ちにさせてくれたんです

目の前の静物を油で描きはじめましたが
部屋が暗いもので、なんともインスピレーションが湧きません

ジャガイモを食べる人々

ジャガイモを食べる人々 1885/ゴッホ

でも、何とか一日中頑張って描きました
しかし、その窓が塞がれていたことよりも、
絵具のにおいが強烈だったことよりも
さらに衝撃的だったのことは
一日中絵を描いていたにもかかわらず
先生が2回くらいしかアドバイスを
くれなかったことでした


さらにアドバイスの内容が凄く抽象的あまり参考にならないようなアドバイスだったので
不確かですが、、「何を表現したいの?」とか 「ここはいいんじゃないかなぁぁぁ」 
的なアドバイスだけだったと思います
次の日も予備校に行き静物を一日中描いたのですが、、、
先生が1,2回だけ見にきてくれて、再度抽象的なアドバイスをくれて一日が終わりました

、、、、、、
、、、、、、
わたしは2日通ってその予備校に行くのを辞めました(笑)

なぜ教えてくれないのか理由①ー過度の自己陶酔ー

正直な意見としては
芸術家、特に有名美術大学を卒業されたり
現に通いながら絵を教えている方の中には
超・有名美大を卒業したので私は
才能スパークしまくってると思い
自己陶酔している人が結構いる
と思います
私もそんな時期があったのでその気持ちもよく解ります
今思うと恥ずかしいのですが、、、(笑)
まなぶ立場としては先生のナルシス度を求めているわけではないので
教えることに関してはどうかと思います

つまり、私のこの抽象的なアドバイスには
天地の道理が詰まっており、その一言はまるで小石を湖になげると生じるさざ波のように
あなたたちの心を変化させるんだ
だからそれを頑張って解釈に努めることであなたたちは成長するんですよ
的な視点だということです

自己中心

ですがこれは日本の芸術に対する
文化背景もあると思います
アメリカやカナダ、南米に比べると中国や日本の芸術史はとても長いです
つまり伝統がある
またその歴史の重みが芸術家はなにか崇高な存在です的カルチャー
作り上げているという側面があります

これには長所と短所があります

芸の世界に深みと崇高さを追求することは
良いことだと思います
そして素晴らしい芸術作品をつくる方は

大変な努力をしているので
建築現場で重い材料を扱いながら

家族の為に働いている方と同じように
それは賞賛されるべきだ
と思います

ですが、過度のプライドからくる自己陶酔は
自分だけの世界で完結するので
漫画喫茶で十分だと思います
まぁ自己陶酔は自己満足なのでいいんですが
(自分の描いた作品に満足できたら
それは幸せで、必要だと思います)


ただ、私はアートとかアーティスト
過度なタイトルを貼る文化とは
グッチのバックなどの有名ブランドを過度に購入することで満足を覚えるようなもの
ではないかと思います

芸術家になるのは大変な努力がいるので
尊重したいですが’、、、
妙な芸術哲学はよく解りません
ただ予備校とか絵画教室とか美大とかではもっと教えてね!!ってね

わたしはそんな思いから
オンラインでは隠すことなく、
技術や知識をお伝えしています

なぜ教えてくれないのか理由⓶ー自力で本を読むことがいい


もう一つ
絵画の先生や美大の教授は技術的なことは
結構・教えてくれない場合が多いです

その理由は、、、、

日本では人に聞く前に自分で辞書を調べろ
的な教育方針があるからだと思います
人にたよらず自分で考えることで成長する

=「美徳」という価値観です
これは必要だと私は思います
なぜかというと、親が何でもしてくれたら
自分で困難を克服して達成した
経験がもてないので
自らに自信感というものが欠乏

していくと思います

自分で辞書を調べる


皆さんはどう思うでしょうか?

ですが、、
人から学んだ方が明らかに近道な場合も存在
しますよね
なぜなら人生で与えられた時間は有限なので
次の日曜日までに富士山の頂上に着こうとするなら
頂上までの道のりを自分で全て調べるわけにはいきません

先の日本の自分で辞書を調べなさい文化は
海外で暮らしてみてより実感した部分が
あります(どの国にも長所短所がありますが)

私が韓国に住んでいたころ
韓国人はより相互依存的で
日本人はより独立的
だ、と感じました

どういうことかというと
韓国の激しい受験社会では教育現場、予備校のようなところでは先生に合格する最短距離
期待されます
つまり、合格する方程式のようなものを
求められます
そして目標の大学に短い時間で合格できるようなメソッドというのは
一般予備校だけでなく、美術予備校の先生にも期待されます

目標地点

そのメソッドを生徒は習得して、効率のよい近道を学ぶというようなスタイルです
これは良く言えば目標に対して効率的ということができますが
短所は自分で考えるという習慣がおろそかになり、全て言われたままを行うというロボットになってしまうという短所もあります

また韓国社会は情報共有が早かったり、
相互のネットワーク(コミュニティー重視)
であると感じました

逆に日本の美術教育では、自分で考え自らスタイルを作り上げることに焦点があてられていて
良く言えば自立心を鍛え、芸術家として成熟できる教育、とみることもできますが、

短所は先生や友人に答えをもとめる・聞く
ということが何か精神的に弱い
ことのようにとらえられ相互依存性が減り
結果的に情報の共有量が減るので、目標にたいして非効率的です

画家の孤独

皆さんはどのような教育方針がよいと思いますか?

なぜ教えてくれないのか理由⓷ー技術を伝授したくない

なぜ教えてくれないのか?その理由⓷は、、

率直にいうと、、
自分の知っている技術を人に簡単に知られたくないからだと思います

美術家や技術をもった先生というのは、
それを大変な努力や研究をしてその技術を手に入れたので
それを簡単に教えたくない、というのが本音

だと思います
わたしも大変な時間をかけてデッサンや絵画の技術をして手に入れたので
その気持ちはよく理解できます

ただ、、、、

これも他の道と呼ばれる分野と比較してみると面白いです
私は柔術を5か月間程習っていた
ことがあるのですが
柔術では先生があますことなく技術を伝授してくださりました

どのように関節技をきめたり、
なぜこの技が効率的なのか?
そのようにそれをかわすのか?など、、、
1時間30分ある授業では30分程は技の伝授
それを30分間仲間と実践、20分はスパーリングをすると全てが実践的でした

柔術とアート

ですが美術の世界では大まかなガイドラインはくださるのですが
日本では自分で考えて実践していくことに

焦点がおかれているように感じます
おなじ「道」の世界ですがこの違いはどこから来るのでしょうか?

どのように思いますか、、、?

わたしは柔術は相手が常にいてそこから
学んでいくのに対して
美術はひとりアトリエにこもりもくもくと
制作に打ち込む職業柄から
自分に焦点があたっていくのではないかと
思います

つまり、美術というのは自己崇拝的になる側面があり、自己所有欲がつよく
相互依存的ではなく
孤独に探求することが良いことだという価値観が
生まれたのではないかと思います

全ての分野に特徴と長所・短所がありますよね

ただ、、、

学校は学ぶ場で、授業料はらっているので
もっと教えてね!というのが私の意見です。

結論

何がよい教育なのかは賛否両論ですよね

ただ私は大好きなネギ玉カルビ牛丼を自宅でも作りたいと思った時に
材料に何をつかったらよいのか?
を0から自分で探したり
その材料をどのような精神状態で材料を混ぜ合わせるかという「ネギ玉カルビ牛丼の精神
を学ぶことも大切かもしれませんが

美術技法

ある程度作れるようになる技術指導とプロセスを先に教えてくれたほうが
その先のこまかな創造性や、食べて感想を分かち合うことに時間を投資できるのでは?
と思います。
本日も読んでいただきありがとうございました。



写真

絵画の旅・メルマガ登録フォーム

メールアドレス  *
絵画教室

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よければシェアしてください^^
URLをコピーする
URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

◆この記事を書いた人

Gemmaのアバター Gemma 源馬久崇ーLandscape Artistー

旅をしながら絵を描いている画家です。
「芸術は人生を豊かにする」ことを信じて活動しています。
大変な時代ですが共に頑張りましょう。

●よければコメントください

コメントする

目次
閉じる