皆さん「ゴッホの星月夜」は知っていると思います。有名ですよね。今回のストーリーはベネズエラ出身のコックから依頼された肖像画を紹介します。肖像画も絵の背景をどうするかでかなり印象が違ってきますよね。また今回も油絵具のオイルの使い方に触れていきます。
星降る夜のプレゼント
パナマ在住中に、泊まったホステルの横にレストランがありました。
依頼主はその個人経営レストランのオーナーで近々彼女の誕生日が迫っているそうです。
彼女は今はベネズエラにいてその彼女の誕生日に何かプレゼントを送りたかったそうです。
そこで彼女の肖像画を、描いて欲しいと、いわれたのでした。、、、、
ただその背景はですね、、彼女の好きな”ゴッホの「星月夜」してほしい”といわれたんですね。
ちょっと大変そうな気がしましたが。。オッケーしました。
私も一度あの絵模写してみたかったんですね
今回はその制作過程をお見せします。ちなみにこのゴッホ作品ですがメチャ有名ですよね。?
この絵は実は、、、彼が亡くなる前年に描かれたそうです。
亡くなる前に彼はもの凄い傑作を残しましたね、、、。
その時からはフランスにある修道院に精神治療のために入院していて
その時、修道院の窓から見える景色を描いたんですが
それが「星月夜」この絵画だったそうです、、、。
彼が当時伝えたかったことはなんだったのでしょうか?
制作過程を公開しますー女性と星月夜
では今日も制作過程をお見せします。
前回の記事でもお見せしたのですが、今回はもっと構成を工夫しました。
まずは構想(構図)をきめていきます。
構図がメチャ大切です。これで絵の50パーセントが決まると言っても過言ではありません。
皆さんなら星月夜と女性をどう配置して描きますか、、、??
私は今回「星月夜」を背景にするのですが縦構図(ゴッホの絵は横構図)で
下から少し見上げるような感じで描くことにしました。
もちろん〜原画は横構図なのでそのままには再現できません。
ある部分はカットします。
まずは女性を描きます。
次は背景の下描きをしていきます。
星の空を見上げるように描きたいですね。
お気づきかもしれませんが星空や杉の木も下から見上げたように
少しパース(パースペクティブ・遠近法)を付けました。
ズズズ、、、っと天を仰ぎ見るような感じが出てるのが分かるかと思います。
さてある程度絵画の構図が決まったので色を載せていきます。
顔や手は早めにかいた方が良いのでドンドン描写していきます。
服も左から右の絵と描写が進んでいるのが分かるかと思います。
絵が上手くなるコツはあまり考えずにドンドン描写することです。
右上の手垢はそこに指を置いて顔を描写していたので絵の具が付いてしまいました(笑)
特に顔が一番描写のしどころです。
ここを上手く描くと後はあまり細密描写をしなくても大丈夫です。
時間があれば顔を描写していきましょう。
人物画=顔です。
顔がある程度完成しました。
やっと、、、背景を描くことができます。(長かった、、、)
ザ・ゴッホぽい背景を描いていきます。
ブルーはウルトラマリンを基調色に使いました。(あまり黄色や緑色を使いたくなかったからです。)
そして空の一番上はウルトラマリン、下に行くほどエメラルドグリーンを混ぜていきます。
少し明るい部分はチタニウムホワイトを混ぜます。
私はジンクホワイトがあまり好きではないのでチタニウムホワイトだけ使っています。
(ジンクホワイトはあまり明るさが出ないからです)
背景で使った色はウルトラマリンとエメラルドグリーン、チタニウムホワイトだけです。
さて空が完成〜〜〜〜〜!しました。
お次は星や月の描写です。
パーマネントイエロー、パーマネントイエロー+エメラルドグリーン、チタニウムホワイト
を使って星の明るさを表現します。
黄色く光っているところ、黄色から少し緑色に変わっているところですね。
はい、ほぼ星空が完成しました。
後は、、、、、
バン・ゴッホの愛した「糸杉の木」と右下の「教会のある町の風景」の描写です。
ガンガン描いていきましょう。
ひたすら「描くのみ」です。
糸杉と教会のある町が完成しました。
思いのほか糸杉の色合いが上手くいきました。
バーンとシェンナ(黄色)、ウルトラマリーンと
パーマネントバイオレットのコントラストが綺麗ですね。
サインをして完成です。
完成作品ーThe starry night with- Oil on canvas 2022
さてこちらが完成作品です。
時間が少しかかってしまいましたが完成しました。
ゴッホの「星月夜」をそのままの構図背景に配置すると絵としては不自然に見えるので
少しデフォルメをして正解でした。
背景はほとんど「模写」に近いですが「模写」をするとやはり
その芸術家の気持ちですとか考えですとかを少し追体験できますね。
彼もものすごく喜んでくれました。
皆さんも機会があれば肖像画を描いてみることをお勧めします。
ではまた次回お会いします。
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