ミロのヴィーナス石膏像を油絵で描く/静物画を魅力的に描く方法

ヴィーナス油彩

こんにちは。ミロのヴィーナスの頭部/Venus de Miloという石膏像を美術室で見たことはありますか?
これは古代ギリシャの彫像で、1820年にエーゲ海のミロス島で発見されて両腕がない状態で原本がルーヴルに運ばれました。美と愛の女神アフロディーテを象徴しています。今日はこちらを油彩として描いた作品をお見せします。どのように平凡な石膏像を魅力的に描くのか?といことについて考えていきたいと思います

ビーナスの石膏像
ミロのヴィーナスの頭部
ビーナスの石膏像
目次

油彩で「ミロのヴィーナス」を「独創的」に描いてみた

ヴィーナス油彩
ミロのヴィーナスの頭部/Venus de Milo/60x50cm/oil on canvas/ 2002

こちらは油絵で描いた静物画です、、、実はマチエール利用して古代ギリシャ風にしてみました。というのは傷を利用してレトロな感じを醸し出しています。これは何層かマチエールをつくり、「とある道具」で下地の色を引っ搔いて出しているのです。ギリシャの神殿が風化して傷が見えるように。この作品でも古代さを演出しています。このようなスタイルは初めてではないでしょうか??

独創的な絵を描くには?
「静物画」というと古典的な作風としてはピーテル・クラースゾーン(1597ー1661)やシャルダン(1699ー1779)、モダンアートではセザンヌなど、いろいろなスタイルで画家が描いてきました。油彩を独創的に描くには「人とは違うスタイル」で描いてみるというのが必要です。ゴッホが人気なのは彼独自のスタイルで描いているからとうのもありますよね。

ヴィーナス油彩
Detail

油絵&アクリルで「ヴィーナス」を「普通」に描いてみた

ヴィーナス油彩
ミロのヴィーナスの頭部のある静物/キャンバスに油彩/60x72cm/2001

こちらの作品は油絵&アクリルで描きました。このように色々な素材をつかうことをMIx mediaといいます。
この場合、下地にアクリルで描き上に油彩で描く必要があります。
反対の順序で描くと、、、ヤバイことにあると思いますが、それも試してみる価値がありそうですね(笑)
油絵・初心者の方でも一度、下地にアクリルを使ってみるのをお勧めします。早く乾くからです。

瓶油彩
Bottle detail

瓶なんかは下地にアクリルで描き上に油彩の透明色でグレージングなどするといい感じの色がでますよ。

Detail

「石膏像の乾いた堅さ」なんかも、実はアクリルの質感と似ています。

レベル別石膏像の紹介

石膏デッサンは初心向けですとか上級者向けですとかあります。私が描いてみて感じたレベル分けをしてみました。(個人主観です)石膏デッサンの上手い下手はもしかしたら石膏との相性で現れてくるかもしれません、

●初心者向け石膏像(頭像)

アグリッパの石膏像
アグリッパ
ラボルトの石膏像
ラボルト
メディチの石膏像
メディチの頭部
ミケランジェロ作

アグリッパ/Agrippa
古代ローマ共和政の政治家兼軍人マルクス・ウィプサニウス・アグリッパ。初代ローマ皇帝アウグストゥスの友人。ローマ帝国の基盤を作るために重要な役割を果たす。ローマ時代に制作
ラボルト/Parthenon Venus(La Borde)
19世紀の誰か彫刻家が教育目的で古代ギリシャのパルテノン神殿のどっかの像の頭を模倣して作られた。これをフランスのラボルト伯爵が推測したことからこういう名前が付けられた。髪型が天然パーマで有名
メディチ/Giuliano de Medici /ミケランジェロ作
ジュリアーノ・デ・メディチ.ネサンス期のフィレンチェの政治家
フィレンツェのロマーノ・サン・ロレンツォ聖堂内にあるカポーニ家礼拝堂に展示
ミロのヴィーナスの頭部/Venus de Milo/(インテリアとして人気)

●中級者向け石膏像

アリアス
アリアス頭部
ヘルメス
ヘルメス胸像
マルス
マルス胸像

■アリアス/Ariadne bust 
実際にはアリアスという名前では存在せず、この石膏像はギリシャやローマの彫刻を基につくられた。
一般的には「アリアドネ」や「ヴィーナス」と呼ばれる
ヘルメスと幼児ディオニソス/Hermes bearing the child Dionysos/古代ギリシャ美術
ヘルメスはギリシャ神話の神、神々の伝令使、旅人や商人、泥棒の守護神
古代ギリシャの彫刻家プラクシテレス作、ゼウスの命令でヘルメスが幼児ディオニソスを運んでいる
マルス/Mars
ローマ神話の戦いと農耕の神。ギリシャ神話のアレスと同じ。ローマでは軍神
ローマ建国神話で、ロームルスとレムスの父としての神
パジャント胸像/Greek Pageant Bust
ガッタメーラ/Bust of Gattamelata(ドナテロ作)
イタリア・ルネサンスの彫刻家ドナテッロ(1386ー1466)による「ガッタメラータの騎馬像」の胸像。
ヴェネツィアの傭兵隊長エラスモ・ダ・ナルニ(1370-1443)を記念した作品
エラモスはヴェネツィア共和国のために戦った著名な傭兵隊長で、ガッタメラータというあだ名

●上級者向け石膏像

奴隷
死にゆく奴隷
ラオコーン
ラオコーン
ブルータス
ブルータス胸像
モリエール
モリエール胸像

■死にゆく奴隷/The Dying Slave/Michelangelo/1513
ミケランジェロ作、ルーブル美術館に所蔵 彼の未完の彫刻の中
教皇ユリウス2世(1503–1513)の墓碑のために制作。「死にゆく奴隷/The Dying Slave」と「反抗する奴隷/The Rebellious Slave」の2つがある。しかし、計画は幾度も縮小され、最終的にこれらの彫像は実際の墓碑に使用されませんでした。
こちらは私が昔描いた木炭デッサンもあります→こちらから
■ラオコーン/Laocoön(古代ギリシャ)
古代ギリシャの彫刻家たち、アゲサンドロス、ポリュドロス、アタナドロスによって制作
ラオコーンは古代ギリシャ神話のトロイアの神官。彼はトロイア戦争の際、神々の怒りを買い、息子たちと共に海蛇に襲われる。この彫刻はその場面を描写した。バチカン美術館に所蔵
ブルータス胸像/Bust of Brutus(ミケランジジェロ作)
共和政ローマの英雄ブルータスをモデル
モリエールの胸像/Molière(作者不明)
モリエールは17世紀フランス古典主義の劇作家で俳優。彼の作品は人間の偽善や社会風刺を描く

これらの像は世界堂オンラインやAmazonで販売しています。値段はしりませんが値段は3万円くらいで売っていた気がします。ただ、デカいので購入は慎重に。買っても置き場がないかもしれません(笑)



写真

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◆この記事を書いた人

Gemmaのアバター Gemma 源馬久崇ーLandscape Artistー

旅をしながら絵を描いている画家です。
「芸術は人生を豊かにする」ことを信じて活動しています。
大変な時代ですが共に頑張りましょう。

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