油絵が上手くなるための絵の具の使い方ーパレットナイフを何本折りましたか?

どうしたら絵を魅力的に描けるのでしょうか?
それはズバリ油絵具の使い方にかかっています。

今日は絵の具を少しずつ使ったり、薄く描いているとなかなか上達しないというお話をします。


とはいってもどう使うかは完全にその人の自由なんですけどね、、、(笑)


そういう考え方もあるというお話です。



「油絵」っていうと皆さん、、何を連想しますか?ゴッホの星月夜(ほしずきよ)でしょうか?
それともレンブラントの自画像

もしくはモネの「日傘をさす女」やルノアールの「船遊びをする人々の昼食」でしょうか?

多くの名画に共通すること、それは「色が綺麗だ〜」とか「深みがあるよね〜」とかいうことです。

目次

「天才」は吉野家の牛丼を食べるより「油絵の具を研究」した



ではどうしたら色が綺麗に見えたり絵に深みがでるのでしょうか?

ただ絵の具を使えば塗ればいんじゃないすか?というとそうでもありません。



例えば色をなんでも目的無く混ぜると限りなく色は黒に近くなります。

黒いは全ての光のスペクトルを吸収した色だからです。(例えば赤だけを反射すれば赤に見えます)

パレット
木製パレット




すな遊び場で目的なく砂をいじっても永遠にサグラダファミリアややモナリザの顔はできません。

同じ意味で目的もなく偶然、地球という作品ができたり夕焼けの綺麗な色ができたりはしないのです。



作品も綺麗な色を出そうとするから綺麗な作品ができ上がりますよね。

ただ盲目的にアクションペインティングをしても「偶然」よい作品や良い抽象画は出来上がりません。





過去の偉大な画家たちは「良い作品を描く」という目的に人生を捧げていたので

「色・発色」を魅力的に見せること3度の飯よりも人生を賭けていました。


アーティストには研究と努力なしでなることはできません




天才と呼ばれる人ほど吉野家の牛丼を恋しく思うよりも研究と努力をしています。
一日中テレビを見ていたり寝てばかいて画家には絶対なれなません。

絵の具が一番綺麗に見える「厚塗り」ー作品例




と前置きはよしとして、、、、、


さて油絵の具には「発色」というものがあります。今日はこの発色についてのお話です。


油絵具は透明なので、「印象で見える絵具の色」というのは実は

絵の具が厚く層になって現れている色
なのです。



印象派の絵をフィラデルフィア美術館でみたことがありますが大部分、絵の具が厚く塗られていました。


これを薄く塗ってしまったり、下の色と無闇に混ぜってしまうとなかなかこの色は出ません





ですので発色を一番効果的に見せるためにも「厚塗り」をお勧めします。

厚塗りをすると本来の絵の具の色がそのまま見えるからです。



そしてさらに!、、厚塗りをすると物の物質感というものが表現できます。

物がそこに存在するという存在感ですね。

「我思うに我ありーデカルト」じゃなく「絵の具があるから物質感あり」です。




これは薄塗りですとなかなか表現が難しいです。

実際の作品を見て比べてみます。下の2枚の作品は私が20年ほど前に描いた静物画です。


静物画ー油絵
コップと銀紙

①こちらの絵は絵の具を薄く塗り重ねた作品です。

手前の銀紙やコップは薄塗りで描きました。少し色に深みがないのがお分かりでしょうか?

ちょっと単調な印象を受けますよね?



では厚塗りにするとどうなるでしょうか?
下が作品です。

静物画ー絵画
静物

②こちらは絵の具を超あつ〜く塗り重ねた作品です。

乾いて塗り重ね、、乾いて塗り重ね、、おそらく厚みが5ミリくらいあるでしょう。




かなり描写や質感に違いがありますよね。

厚塗りにした方が発色に深みがあったり、物の存在感が出ているのが感じられるのではないでしょうか?



「百聞は一見にしかず」

また美術館で見られるある種の絵画的な色
このような絵の具の厚塗りから来ているのを知ることができます。。

上手くなるためにパレットナイフをたくさん折る


ところで、、皆さんはパレットナイフを使ったことがあるかと思います。

しかし、パレットナイフを折ったことはあるでしょうか?


これはいい絵が描けなくて「ムカツイて」折ったか?ということではありません(笑)




私も今まででナイフを15本くらい折りました。

絵が上手く描けずストレスが溜まりまくっていたからです。。。。



ではなく、、絵の具を混ぜすぎて金属疲労で度々ナイフが折れてしまいます。

パレットナイフ



発色をよく見せる2つ目の秘訣はナイフで絵の具をのせることです。



なぜかというと筆で色を載せる(てもいんですけど)と下の色とのせた色が混ざってしまうため

本来の色が失われてしまうから
です。


また筆は豚毛とかナイロンでできてますので、絵の具が筆の中に吸収されてしまいます。

何度も塗り重ねないとなかなかキャンバスに乗らなかったりするんですね〜。



反面ナイフはバーーーーン!とキャンバスに色がのり

パチーーーーン!と色が出るのです。


よくインスタでザ・画家っぽいオッちゃんがナイフだけで絵を描いているのはこのためです。


下の作品はナイフを主に使用して描いた過去の作品です。

静物画ー瓶
瓶と林檎のある静物


レンガ、テーブル、背景の壁、パンの断面、、

ナイフで絵の具が乗っけられたのがお分かりでしょうか?

その部分はバチーーーーーーン!とした発色が感じられるはずです。



はい、ということで今回は油絵具の使い方について考えてみました。
また次回も気になる絵画の技術的なところに迫っていきたいと思います。



もっと詳しく学びたい方は絵画教室もやっているので連絡ください↓。ではまた















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◆この記事を書いた人

Gemmaのアバター Gemma 源馬久崇ーLandscape Artistー

旅をしながら絵を描いている画家です。
「芸術は人生を豊かにする」ことを信じて活動しています。
大変な時代ですが共に頑張りましょう。

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