こんにちはGEMMA HISAです。
今日は皆さん気になる隣国、
「韓国のアート事情」について語って
行きたいと思います。
音楽やドラマで人気を博した韓国ですが、
韓国美術(絵画・彫刻・現代アートなど)には
案外情報がありませんよね。
実は私は韓国で長い間美術作家をしていました(やく10年ほど)。
その中で涙あり笑いあり苦労あり(苦労がほとんど?)でたくさんの韓国人/美術関係者と知り合いました。
このページではこれから気になる韓国の最先端のアート事情を発信していきたいと思います。
ですのでこのページを見ることで韓国美術史上に誰よりも詳しくなる可能性があります(笑。
正直、日本にいると韓国のアート情報はほとんど入ってきません。
まず、検索しても出てきません。
この差は現地にいるのといないのとは歴然です。何故かというと、、
①韓国美術業界について検索しても出てこない。
②韓国の美術作家・作品について検索しても出てこない(せいぜい昔の有名作家しか出てこない)
③韓国の主要検索サイトはNAVER(グーグルではない)
これが日本にいると韓国のアート事情を知ることができない主要な原因です。
私は韓国に最初は留学目的で準備していたのですが、韓国のアート業界についても検索しても数えるぐらいの情報しかないので
「韓国って美術業界は活発じゃないんだ」って思ってたんですね。
しかし、、、、!
実際は韓国の美術作家さんたちバリバリ活動していて、展示会も毎月沢山開かれています。
ある面、日本よりも展覧会の情報や作家として生きていくための情報交換が活発にされている
と見ることができます。
では日本と韓国の美術業界の雰囲気はどう違うのかリアルなお話をしていきたいと思います。
(どちらの国にも長所と短所があるので客観的に私の経験したことです)
その①ー韓国は情報交換が早い(美術業界も)ー
ー早く用を済ませたいときは即電話ー
文字通り早いです(笑)日本ですと展示をするまでに段取りですとか、
契約書ですとか、、まずは誰々を通して、、、とかなるんですが、、
韓国の場合は、例えば食事の場でギャラリーの館長さんやキュレイターの方と出会ったとしますよね、、そうすると、、、
館長「え!絵描いてるんですか?
へ〜〜〜どんな作品ですか?」
私「こんな感んじで風景画を描いてるんですよ、これインスタです」
館長「へぇぇ〜、すごいイイ感じですね、
今度展示一緒に出品しませんか??」
私「え!、もちろんいいですよ、じゃあ メールと電話番号交換しましょう」
館長「はい。じゃぁ展示内容について後でメールで書類送りますね」
私「ありがとうございます。ところで、、売れたら何割ですか?」
館長「〜割です(だいたい韓国は5:5)よ」
私「なるほど。わかりました」
館長「では作品の搬入はいついつにお願いします〜」
とこんな感じでスタスタと決まっていくケースが多々ありますね。
展示が決まると翌日くらいにキュレイターから
電話がかかってきて
キュレイター「館長からお話伺いました、さっきメール送りましたよ。確認お願いします〜」
私「ああ、ありがとうございます。確認しますね」
キュレイター「ではまた搬入当日お会いしましょう!」
てな感じでスタスタと進んでいきます。
明らかに印象として早いですね(笑)
何にしても早いことが好きな韓国です。
その②ー金銭的な話に抵抗がないー
日本ですとお金の話やプライバシーに突っ込むような話は失礼だと思われている場合が多々ありますが、そのあたり韓国はあまり気にしないので、
例えばカフェで、、、
「どこどこの誰々さんが最近絵が5枚売れたらしいよ」
「え!すげー、でどんな絵だったの?いくらで?」
なんて会話を結構します。
つまりもっとラフに情報交換をすることが可能になります。
もし知り合いですと、絵が売れたことにその場で電話をして
「おめでとう、すごいな!今度おごってくれ〜(笑・冗談)」
なんていうこともあると思います。
といっても、とてもプライバシーに関わることは話さないのですがこの場合、
お互いに有益な情報になり、売れた作家さんの知名度も上がるので、
皆さん、良しとしているんだと思います。
これは私は特に若手作家においては「絵で食べていくことのモチベーションになる情報交換」になるのでとても大切なことだと思っています。
金銭的な情報を聞かずに絵を描き続けるけることは生活の保証がない道を歩きつづけるのと同じで、そのような環境は制作に良いとは思いません、、。
その③ー最近は若者も絵を買いたいー
ー新婚夫婦は壁に絵を飾るのがイケてると思っているー
皆さんの中に絵を家に飾りたいと思っている人はどれくらいいるでしょうか?
あなただったらどんな絵を買って家に飾りたいでしょうか?
韓国人は最近若者も芸術に興味があります。
というのは韓国人はオシャレでカッコイイものが好きだからです。
オシャレなカフェ、カッコイイ服装、これです。
つまり「アート」というのは自分のステータスをもっとカッコよく見せることができる、もしくは自分の感性を代わりに代弁してくれるには最適なものなのです。
ですので、新婚の夫婦などは少し高くてもリヴィングルームのために絵画を一枚買ったりします。
これは良く言えば美的感性がある。悪く言えば外面的と思うかもしれませんが
皆さんはどう思うでしょうか?
いずれにしても私、美術作家の立場からはとてもウェルカムな傾向です。(笑)
なぜなら絵が売れて生活資金・制作資金を調達できるからです。
まず美術(綺麗なもの、カッコイイもの)に興味がない人が多いと美術市場は潤いにくいです。
ただ「人々がどんな傾向の絵を好むのか」というのは議論したら面白いテーマだと思います。
また韓国には投資目的で、絵を買う人もいます。この場合はその作品が本当に好きで買いたい!
というよりは美術に少し興味ありつつ、この作家は将来有名になりそうだという目的で購入するケースですね。
またコレクターとして将来自分の美術館を開きたい!という目的で絵画を購入することを趣味としている人もいます。
ということで、、、今回は韓国のリアル美術市場について少し語っていきました。
また次回、興味深い記事を書いていけたらと思っています〜。
次回またお会いします。
GEMMA
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