サン・ピエトロ大聖堂②│荘厳なバルダッキーノとモザイク画達

今回は、サン・ピエトロ大聖堂の内部を紹介していきたいと思います。ミケランジェロやベルニーニの作品とルネサンス、バロックの傑作である建築です。
この場所はじっくり見たくて2回来たんですが、1回目は朝に、2回目はお昼以降に来ました。
お昼以降が、空の色や、内部の光が綺麗だったので、そちらをメインにお見せします。

こちらは右に見えるのはバチカンの塀です。
大聖堂入口のファサード(外壁上部)には、
巨大なラテン語碑文が刻まれています。
そこには、、
と書かれています。
午後一時くらいの広場です。
日差しが強く、周囲の柱に当たってとても綺麗でした。
ドーム内部と荘厳な光
入り口からこのドームに入っていきます。
そうすると、すでに荘厳な雰囲気が、、、!
窓から光が差し込み、教会全体が輝いて見えました。
内部は金色のいろいろな装飾と、柱や壁は大理石・レンガ・コンクリート・金箔などで出来ており、まばゆく荘厳です。そしてものすごく大きい。


上には聖書の一節がラテン語で書かれています。
「QUODCUMQUE LIGAVERIS SUPER TERRAM ERIT LIGATUM ET IN COELIS ET QUODCUMQUE SOLVERIS SUPER TERRAM ERIT SOLUTUM ET IN COELIS」
「あなたが地上で縛ることは、天でも縛られ、
あなたが地上で解くことは、天でも解かれる。」
これは「マタイによる福音書 16章19節」で、イエスが聖ペテロに語った言葉です。
先のクーポラの記事の
「あなたはペテロである。私はこの岩の上に教会を建てる」の続きの部分にあたります。

手前には透明な椅子と、奥にはバルダッキーノ(大天蓋) とその下の教皇の祭壇、一番奥には聖ペテロの司教座(カテドラ・ペトリ)が見えます。
サンピエトロ大聖堂(Basilica di San Pietro in Vaticano)は聖ペテロ寺院という意味なんですね。聖ペテロのお墓の上に作られているわけです。

キリスト教会の建築としては世界最大級です。
初期建築が作られたのは4世紀、16世紀には痛みが激しかったので、教皇ユリウス2世によって再建築が行われました。
その時に建築家ブラマンテが受け持ったんですが、彼が亡くなり、教皇ユリウス3世がミケランジェルにその工事を継ぐように命じたんですね。ミケランジェルも1564年に亡くなってしまったので、その後もいろんな建築家が次、その図案通りに完成したのが1589年と言われています。

ルネサンス期とバロック期を経て、現在の形は1626年に完成しています。つまり100年以上かかっています。ルネサンスとバロック芸術の集大成の建築です。通路が長く、上には小ドームがいくつもあり、天井画がモザイクで描かれています。

大きな彫刻もあります。
世界中から人が見に来ていました。
フランス語、イタリア語、スペイン語、英語、イギリス英語、アメリカ英語、日本語、韓国語、中国語が聞こえてきました。
ヨーロッパ、アメリカはもちろん、南米、アジアからもですね。
聖人たちの絵画
内部を歩いていると様々な大きなモザイク画が壁に掛けられています。いくつか紹介していきたいと思います。
ほぼ全てが油絵と見間違うほど精巧なモザイク画で出来ているとは驚きです。
1727年にバチカン・モザイク工房が設立されて原画をモザイク画(劣化しにく)にすることが行われたそうです。

こちらは「キリストの変容」という作品です。
原画はラファエロが描いたもので、これをこのモザイク画として1758年から1767年にかけて何人かの画家が再現したようです。原画は4mほどらしいですが、この2倍の8mあるそうです。
これは、タボル山(Mount Tabor)でキリストが光を放ちながら現れている場面です。

キリストの左にはエリヤ、右には石板を持ったモーセがいます。その下にローブを着て驚いているペテロ、ヤコブ、ヨハネがいます。
その下には群集がいるんですが、 人間たちの混沌とした様子が描かれえているそそうです、悪霊に取り憑かれているような子供が右にいますね。

こちらは「聖セバスティアヌスの殉教」という作品で、ドメニキーノ(Domenico Zampieri, 1581- 1641年/伊)という画家が原画を描いたそうです。 それを再現したモザイク画で17世紀に制作されたそうです。
聖セバスティアヌス(Sebastianus, 没月日287年)が中央に描かれ、その周りに彼を処刑しようとしている、馬に乗ったローマ兵人や弓を持った人がいます。彼はローマのディオクレティアヌス帝によって殺害された聖人です。
上空には天使たちが到来して、殉教のまさにその場面を表しています。このモザイク画の近くには、教皇ヨハネ・パウロ2世の墓碑があります。

こちらは「聖マルガリタ・マリア・アラコクへのイエスの出現」(Apparition of Christ to St. Margaret Mary Alacoque)を描いたモザイク画(1920ー1925年制作)です。
原画はカルロ・ムッチョーリ(CarloMuccioli/1857–1933年/イタリア)によるものです。マルガリタ・マリア・アラコクは17世紀フランスの修道女。彼女の前にイエス・キリストが現れ、自らのこの信心を広めるように啓示した場面です。

次に、「聖ヒエロニムスの祭壇」というモザイク画があります。これはバロック期の先の画家ドメニキーノの『聖ヒエロニムスの最後の聖体拝領』(1614年)のモザイク画です。
ヒエロニムスは4世紀のキリスト教の神学者で、その人が死ぬ前に、最後の聖体のパンを拝領(受け取る)様子が描かれています。 「聖体を拝領」するというのは、カトリックのミサで、キリストの体に見立てられたパンを口にする儀式です。
これは最後の晩餐でイエスがパンを取り「これは私の体だ」と言い、ワインを「これは私の血である」と言って、弟子に分かち与えた出来事に由来します。 パンが聖体(キリストの体)でワインがキリストの血を象徴しています。
ベルニーニのバルダッキーノ

こちらはですね、イタリアを代表する彫刻家ベルニーニ(Gian Lorenzo Bernini, 1598 – 1680年)が作ったバルダッキーノ(大天蓋)です。これはまさこの寺院の一番の傑作というか、荘厳さがすごかったですね。バロック美術の傑作です。
実はこの大天蓋の真下には聖ペトロの墓があり、これはその真上に作られているのです
聖ペトロの墓は地下5mから12mにあります。

ベルニーニは1624年から1633年の10年をかけてこれを完成させたそうです。高さは29メートル。
4つの柱は、その「ソロモンの柱」と呼ばれて、エルサレムの神殿にあったソロモンの柱をモデルに螺旋状にねじれています。
で、これを作らせたのは教皇ウルバヌス8世なんですが、彼の家紋であるミツバチとか太陽とか月桂樹の葉が刻まれているそうです。
制作に使われたブロンズは、ローマのパンテオンの天井から剥がして持ってきたと言われています。 下から見上げると、前の記事で紹介したミケランジェロのクーポラとモザイク画を見ることができます。

ひときわ目立つのが裏面の黄金の鳩です。
これは「聖霊の象徴」です。
ベルニーニは「祭壇=キリストの受難」「バルダッキーノの鳩=聖霊」、「巨大ドーム=父なる神」を三位一体の象徴として設計したと言われています。
上には黒い肌をした、羽のある天使が四体いるんですけれども、 これはバルダッキーノを天から守護している姿と言われています。
また、その横には天使プットがいていろんなものを持っています。例えば「イエスからペテレに授かられた天国の鍵=教皇の権威を象徴」、 「教皇の冠・ティアラ=教皇ウルバヌス八世の統治を称えるもの」、「聖パウロの剣と本=キリストの教えを広めた聖パウロの象徴である剣と書物」を持っています。

上のドームからは光が差し込んできて、まさにゴッドレイ(God ray)のようでした。 バルダッキーノの金とブロンズの黒のコントラストがなんとも言えない威厳差を感じさせてくれます。
聖ペテロの司教座

奥に見えるのは「聖ペテロの司教座」です。
ベルニーニが「黄金の光」、「聖霊の鳩」、「天使」、「雲」のモチーフで、神の権威が教会に降り注ぐっていうイメージを表現しているそうです。

カトリックでは聖ペテロが初代ローマ司教・教皇ですので、ペテロの椅子=教皇権の象徴でもあるわけですね。つまり、使徒ペテロから続く教会の継承と、ローマ教皇の権威を象徴する記念碑です。

ちなみに司教座=カテドラ(cathedra/ギリシャ語・ラテン語)と呼ばれ、カテドラル(cathedral)=司教がいる中心的な教会という意味になります。

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