韓国で絵画がどれくらいの値段で売られているのか?展示のチャンスをどのように掴むのか?を10年韓国で活動した作家の目から今日は紹介していきたいと思います。
韓国ギャラリーの手数料(コミッション)
現代では多くの韓国人アーティストがギャラリーを通して絵(彫刻・版画も含む)を販売しています。
では韓国のギャラリーで展示する場合、コミッション(販売時に支払う手数料)がいくらなのか、
どのように展示するチャンスを掴むことができるかなど気になりますよね。
今回はそのようなレア情報を語っていきます。
まずギャラリーで絵が売れた場合、大抵の場合
コミッションは50%(作家):50%(ギャラリー)です。
つまり10万円で絵が売れた場合。作家5万円:ギャラリー5万円の収入になります。
場合によっては60%(作家):40%(ギャラリー)の場合もありますがほとんど見たことはありません。
さらに重要なのは、、、、
この5万円から税金が引かれます。
税金の額は3%です。
つまり50000×0.97=48500円が作家のとり分になります。
これはかなり作家にとっては持ってかれた感がありますよね。(悲)
はい話してみると、ほぼ全ての韓国人作家はこのことを悲しく感じています。
しかしものは捉えようで、良いギャラリーもあればそうでないギャラリーというのがあります。
どういうことかというと
「良いギャラリー」というのは作品販売のために一生懸命マーケティングをしてくれます。
つまり絵を売るために、そのギャラリーが抱えている顧客(コレクター層)に頻繁に連絡を取ってくれたり、DMを作ったり、広告用の大きい布でできたポスター(향수막)を作ってくれたり、
新聞社に連絡して作家のインタビューの日程を確保してくれたり、
さらにお客さんが来てくれた時は一生懸命にマーケティングしてくれます。
これを作家がやろうとするとかなりの労力が入りますよね。
ですので私はここまで一生懸命売ろうとしてくれるギャラリーには50%を払っても納得がいくと思います。
逆に「そうでないギャラリー」というのが存在します。
これは単にマーケティングを全然一生懸命してくれません。
例えば企業や財団が運営するギャラリーの中には販売が目的というより
企業にイメージアップやギャラリー自体を運営するのが目的というギャラリーが存在します。
こういうギャラリーはコミッションだけでなく展示をするにあたり「小さめの絵を1枚寄付してくれ」と言ってきたりします。
おそらく販売に自信がないのでそういうのでしょう。
さらに、お客さんがきてもあなたの絵を一生懸命説明してくれません。
おそらく企業から運営費が出ているので販売しようと一生懸命話す必要がないのでしょう。
目的が他のところにありますから。
こういうギャラリーではしっかりと準備したあなたの個展とかそういうものはおすすめしません。
経験を積みたい、または、経歴をつくるためなら良いかもしれません。。。
韓国のギャラリーで展示をする方法
韓国は近い国なので日本からでも比較的やすく絵を送ることができるし、
経済的にも発展している国です。
だから韓国の美術市場を狙ってみたいと思いますよね。
では、、
韓国のギャラリーで展示をするには一体どうしたらいいのでしょうか?
3つくらい方法があります。
まず、、
①つ目は公募に応募することです。
公募に応募して当選すると、タダでギャラリーで展示をさせてくれます。
韓国は日本よりも沢山の公募をしています。
私の感覚だと日本の2倍くらいチャンスがあると思います。
韓国はアクティブな国ですので、可能な限り沢山やります
ギャラリーも良い作家を発掘して展示をし絵を売りたいのです。
利益をあげることに積極的な国です。
ではどのような公募があるのでしょうか?
こちらに有名なサイトがいつくつかありますが、
少し紹介しますのでアクセスしてみてください。↓
네오룩・ネオルク(公募・展示情報)
ただし、、、韓国語の読解が必要ですね。ㅎㅎ
公募には自分の絵のイメージデータやポートフォリオをギャラリーのメール住所に送るか、
Web hard(ウェブハード)と言ってネット上に絵をアップし、ギャラリー側でダウンロードするかの2つです。
そうすると彼方で審査してくれて早ければ3日、遅ければ1週間後に結果を知らせてくれます。
韓国人は基本業務を早く終わらせたいので早く連絡をくれます。(笑)
またはギャラリー側が是非あなたと展示を企画したい場合、直接電話をくれるでしょう。
韓国は段取りとかそんな面倒臭いことは好きではありません。
早く連絡を取れたければ電話一本です。(笑)
私が韓国で10年も住んでいたのは住みやかったからです。
全てが早く効率的です。
②つ目は知り合いの紹介から展示をすることです。
知り合いがギャラリーのオーナーに連絡し、
「良い作家がいるから展示に招待したらどうっ??」と繋いでもらうことですね。
この方法でもかなりの韓国人が展示をしています。
私もこの方法で展示の機会がかなり舞い込んできました。
これをするには
信頼をゲットすること/絵が良くて周りからの評判が良いことが必要です。
もしくは韓国に知り合いの美術関係者がいると機会に巡り合いやすいです。
③つめはお金を払ってギャラリーを借りるですね。
これは日本と同じなのであまり説明しなくてもいいかと思いますが、、
一週間借りると、、、、
安い場所で=5万円から〜〜
高い場所で=30万円くらいします。
正直30万払ってまで展示したくないですよね(笑)
ただこの場合、絵が売れたら全ての収益が100%作家の取り分になります。
韓国で絵はいくらで販売されているか?
さて、、ここからは気になる「韓国で絵はいくらで販売されているか?」です。
絵の相場ですね。
これは大きく分けて、、
若手作家/中堅の作家/超有名作家に分類できますが、価格も大きく違います。
しかし多くの作家は若手作家に該当します。
若手作家には20〜30代の画家や、展示経歴がほとんどない〜ある程度ある作家が該当します。
40代〜50代であっても展示経験があまりない場合ここに該当すると言っていいでしょう。
韓国では絵画の値段をキャンバスのサイズで計算することが多いです。(まあ値段は自由につけていいのですが、、、笑)
若手作家は1号をだいたい5000円〜2万円くらいの間で計算します。
必ずしもこの計算式に当てはまるわけではありませんが、、。
私の見て体感した感じですと
10号ですと、、、5万円〜20万円くらいの間
30号ですと、、、15万円〜60万円くらい
100号ですと、、、50万〜200万円くらいの価格で販売されていたと思います。
ギャラリーを通して売る場合手数料が50%かかるのでそれを忘れないでください。
では中堅作家になってくるとですが、、
40、50、60代の美術業界での活動歴が多い作家がこれに該当します。
展示経験も豊富で、ファンも多く知名度も高い、絵が良いので展示すれば良く売れる作家ですね。
このレベルになってくると、記憶では
1号を2万円〜6万円ほどで販売していました。
10号ですと、、、20万円〜60万円
30号ですと、、、60万円〜180万円
100号ですと、、、200万円〜600万円ほどになります。
これはかなりイケてる価格ですよね。
それでも売れる作家は売れます。
さて、超有名作家になってくると、これは韓国アート業界を代表する作家になってきます。
つまりギャラリーだけでなく美術館で個展をしたり、美術館に所蔵品があったり
かなり大きな作品を描いてもコレクターがいるので売れたりする作家ですね。
こういう作家は数えるくらいしかいないのですが。このレベルになってくると値段も上限を打ち破ります。一概にいくらと数値化できません、、。
知り合いに有名な方がいるのですが、、
かなり大きな大作を一つ3000万円ほどで売っていました。
この作家さんがいうには「大きい絵の方が高く売れ、効率も良いので大きい絵を沢山描くんだ」と言っていました。
この方は個展を沢山しているのですが、いつも大型ギャラリーや美術館で個展をしています。
またアメリカなど海外のギャラリーからも招待されて展示をしています。
美術品の価値というとかなり幅が広く、一概に言えませんよね。
韓国のアート市場に興味のある方は参考にしてください。
ではまた次回お会いします。
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